2019-04-01
ちょっと前まではアベノミクスで好景気が続いていると政府やマスコミがずっと言っていましたが、僕の周囲にはそんな好況は微塵も感じませんでした。
好景気だ、日経平均株価が2万円を超えた、と言ってもどこの国の話?って感じだったです。
要は二極化で貧富の差がはっきりしてきて、景気のいい話は”富”に限った話で、僕は”貧”の方だったということでしょう。
今や、日本にはかつかつで生活している人が珍しくありません。
きっと、これまで払えていた住宅ローンを払えなくなってしまった人の割合も増えているのではないでしょうか?
「まともに働いていたら払えなくなるなんてことはそんなにないだろう?」
と思う人は多いかもしれませんが、実際はきっと多いハズ。
だって僕自身が住宅ローンを払えなくなったからです。それとも僕が特別なんでしょうか?
世間ではどのくらいの割合で住宅ローンを払えなくなった人がいるのかちょっと調べてみました。
先に結果を言うと、住宅ローンを払えなくなった人の割合はどこも把握していないようでした。
政府は国民のあらゆる統計をとっているので、住宅ローン支払いが滞ってしまった人の割合も当然調査しているのではないかと考え調べてみました。
ところがそれらの実際の数字を調査はしていないようで、つまり政府は住宅ローンの支払いができなくて自宅を手放さないといけないかもしれない国民の割合を把握していません。
各省の統計情報は総務省統計局が整備し、独立行政法人統計センターが運営しているe-Statといういサイトですべて見ることができます。
そこで住宅ローンについての統計を調べてみたところ、住宅ローンを支払っている人の割合とか、ローン残高や月々位の返済額についての統計はあるのに、返済を遅延したり返済不能になった人の割合についてはまったく情報がありませんでした。
次に、民間のリサーチ会社なら住宅ローンを支払えなくなった人の数を調査しているかもと考え調べてみました。
結果はやはり支払いができなくなった人に関するデータは皆無でした。
調査のチカラというあらゆる調査結果を検索できるサイトで調べました。
住宅ローンに関して出てくるのは、多くが住宅ローン金利の推移に関する調査です。
中に、借り換えのアンケートがあったので、返済が苦しくて借り換えた人のデータかと思ったら、金利が安い住宅ローンへの借り換えのアンケート調査でした。
あとは、繰り上げ返済をした人のアンケートとか。
基本的に、問題なく住宅ローンを返済している人のデータしかないようですね。
まあ考えてみれば、”住宅ローンの支払いが苦しい”なんてことは調査しにくいし、当事者も答えたくないですよね。
たぶん、それらのデータを持っているのは、住宅ローンを実際に組んでいる銀行しかないでしょう。
だけど、データの性質的にけっして公表はされないでしょうし、他行の情報はわからないでしょうね。
では、まったく傾向がつかめないかと言ったら、そうでもないんじゃないでしょうか?
僕自身、住宅ローンを払えなくなった経験があります(このことは別記事で詳しく書きます)し、肌感として実際に支払いに困ってしまった・困っている人は多いんじゃないかと思います。
実際に今現在、「住宅ローンの支払いが滞っている人」の割合は知ることはできませんが、「住宅ローンの支払いが滞っている人+その予備軍」は知ることができます。
それは貯蓄額。アンケート調査では貯蓄額が項目によく入っています。
この貯蓄額が少ない人は「住宅ローンの支払いが滞っている人+その予備軍」と考えていいでしょう。
下のデータはSMBCが毎年行っている「30代・40代の金銭感覚についての意識調査」の2019年版の一部。
すごくないですか?
30代・40代の働き盛りの人の貯蓄額ですよ。
0万円が23.1%もいて、50万円以下と合わせると47.7%にも上ります。
全員が住宅ローンを払っているわけじゃないですが、日々、自転車操業みたいな感じでしょう。
うちもそんな感じですよ。
この程度の貯蓄額だと、ちょっとトラブルが発生したら途端に住宅ローン支払いがきつくなるレベルです。
表には見えてきませんが、住宅ローンで困っている人はかなりいると予想できますね。
まだ、窮地に陥っていないで、順調に住宅ローンを返済している人。
そんな人が次に考えるのは何だと思います?
繰り上げ返済ですよ。
ローンを抱えているというのは、普段意識していなくてもけっこう心理的な不安になっているものです。
ちょっと余裕があるとさっさと返して、できるだけローン返済のゴールへ近づきたいんです。
なぜ分かるかって?
実際に僕も住宅ローン支払いに困る数年前に繰り上げ返済をしているんです。
その後数年で、あっという間に経営が傾きました。
繰り上げ返済の資金をそのまま残していたら、もう少し手が打てたかもしれません。
一寸先は闇ですよ。
僕は自営業ですが、サラリーマンだって同じこと。
もう終身雇用の時代じゃないですし、かつての大企業が身売りしたり倒産する時代ですから、いつ勤めている会社が倒産するかもしれません。
よほどの余裕があるとき以外は、繰り上げ返済はしないほうがいいですよ。
実際に住宅ローンを払えなくなった僕の経験から、そうならないようにああすればよかったと思うのは次のこと。
自営の場合、売上が落ちていても頑張ればなんとかなる、まだまだ盛り返せると楽観的に考えて対策が後手後手になりがちです。
コンサルがついているような会社ならともかく、零細では判断が甘かったり遅れたりするもの。
今の世の中そんなに甘くはないです。
大鉈を振るうような改革をして早め早めに対処しましょう。
本業を伸ばすことに尽力するのが一番ですが、できれば収入の柱を別に持っていたいですね。
できるだけリスクを分散して、不測の事態が来てもなんとか持ちこたえられるようにしたいものです。
事業の立て直しに含まれることですが、これまでと同じように支出していてはあっという間に余力は減っていきます。
削れるところは積極的に削って、立て直しの時間を少しでも増やしましょう。
上のことは自営業にあてまることですが、サラリーマンでも副業をして別の収入源を持っておくことをおすすめします。
住宅ローンを払えなくなった人の割合は、国の統計や民間の調査のどちらでも調べられてはいませんでした。
しかし、貯蓄額から推測してローンを払えなくなった人の数は決して少ないものではないようです。
今の日本の経済状況では、明日は我が身。
いつどんな災難に見舞われても持ちこたえられるように万全を期しておきましょう。